歴史人物の備忘録

ライトな歴史好きによる備忘録です

源氏とは

源氏まとめ

・日本を代表する姓。臣籍降下によって、臣下になった皇族の一部。
・52代嵯峨天皇の時、多くの子どもたちが臣籍降下したことがはじまり。
・一番有名なのは57代清和天皇の子孫にあたる、清和源氏

日本最古の姓・源氏

源というのは、臣籍降下で生まれた姓だ。

源氏と言えば、源頼朝を出した清和源氏が一番有名だが、それ以外の源氏もたくさんいる。
代表的な姓の一つで、「源平藤橘」と呼ばれる四姓に数えられる。
ちなみに名の由来は皇室と「源流」を同じくするから、
もしくは「水の元=みなもと」とする説がある。

はじまりは嵯峨天皇

52代嵯峨天皇はなんと23人もの皇子がいた。
このうち17人の皇子に対して臣籍降下が行われた。
この時に与えられたのが源姓である。

臣籍降下とは?

皇族がその身分を離れ、姓を得て臣下の籍に降りることをいう。
あまりに皇族が多いと朝廷の財政を逼迫するし、実際に皇位を継承できる皇子も数少ない。
そこで皇位継承権から遠い皇子には姓を与え、積極的に臣下へと組み込んでいった。

源氏二十一流

一般的には清和源氏のイメージが強い源氏だが、武家も公家も両方いる。
そして祖とする天皇別に21の流派がある。
通称、源氏二十一流と呼ばれる。ただし一代限りの賜姓も多い。

武家で知られる源氏

超大雑把な清和源氏の家系図

一番有名なのは清和天皇の孫・源経基経基王)より始まった清和源氏だろう。

鎌倉幕府を開いた源頼朝清和源氏の一つ、河内源氏の出だ。
源義家源為朝をはじめ、多くの強者が河内源氏から誕生する様は、
どこかの戦闘民族を彷彿とさせる。

河内源氏は有名な武家も多く残しており、
下野源氏(=足利氏)、上野源氏(=新田氏)、甲斐源氏(=武田氏)などが子孫にあたる。

河内源氏以外にも有名な武家源氏は多い。
以仁王の挙兵で知られる源頼政は早期に河内源氏から分岐した摂津源氏だし、
清和源氏以外にも、例えば嵯峨源氏(=渡辺氏、松浦氏など)や
その流れを組む近江源氏(=佐々木氏)などもある。

ただし武家源氏は、地方に根付くと改姓する傾向にある。
※正式な書面では「徳川次郎三郎源朝臣家康」と名乗ったりする。

公家で知られる源氏

平安時代初期に一大勢力を築いた嵯峨源氏や、
管弦の名手として名高い源博雅を出した醍醐源氏
六条家、岩倉家、千種家などの堂上家を多く生み出した村上源氏などが有名。
南北朝時代に公家でありながら南朝方として戦った北畠氏も村上源氏の流れである。